広島県の暮らし、生活環境

広島県

広島県の暮らしぶりについて解説します。
(執筆:歌峰由子)


地理

 北部の山間地は1m超の積雪がある寒冷地の一方、南部の瀬戸内沿岸は温暖で晴れの日が多い。県内だけでスキー場が10か所以上、海水浴場も10か所以上あり、自然環境のバラエティが豊かである。山地は低くなだらかで海も穏やかな内海と、突き抜けた特徴はないが暮らしやすい土地柄だ。とはいえ、前述のとおり南部と北部ではだいぶ趣が違うので、移住の際にはしっかり場所を確認したい。おなじ「広島県」で括ると痛い目に遭う。

 元は「安芸」と「備後」の二つの国であったため、広島市を中心とする西部と福山市を中心とする東部は多少風土が異なる。ふだん「広島」という場合は、おそらく広島市を中心とした安芸地方のことだろう。坂の街「尾道市」中心部や福山市「鞆の浦」は備後地方だ。

 地震や火山の心配は比較的少ない一方、注意すべきは豪雨による土砂崩れだろう。最近で言えば2014年8月に広島市で起きた土砂災害は、74名もの犠牲者を出した。

 山間部はリンゴ、ぶどうといった果実、海岸部は牡蠣をはじめとした魚介類が美味しい。酒処として有名な東広島をはじめ日本酒の酒造会社が50軒以上、ワイナリーが2軒と、美酒とグルメを楽しめる土地でもある。

 広島弁はヤクザ言葉のイメージが強く、実際イントネーションが尻上がりなので慣れないと「常時怒られている」と感じるようだが、実は普通に喋っているつもりや、ツンデレの場合もある。例え本当に怒っていたとしても、広島県民は「熱しやすく冷めやすい」気質なので、怒鳴ったらスッキリして次の日には忘れていたりする。気にし過ぎないのが重要だ。

 基本的に朗らかで人当たりの良い人が多いので、困ったときは遠慮せず周囲に声を掛けてみると良いだろう。


仕事

 瀬戸内の工業地帯においては製造業が盛ん。山間部は農業が中心だったが、現在は島しょ部とあわせて典型的な過疎高齢化地域が多い。移住誘致政策を進めている自治体もある。


教育

 広島県といえば、平和都市ヒロシマである。平和教育にはとても熱心で、被爆体験、戦争体験についての学習は小中学時代の必須科目である。県内の国公立大学は五か所あり、中でも国立である広島大学は12の学部を持つ総合大学である。


交通機関

 県内全体の主な交通機関は鉄道とバスである。海岸部には山陽本線と新幹線が走っており、広島駅から東京駅まで最速四時間弱と便利が良い。逆に空港は都市部から離れた山の中にあり、市内のバスセンターからリムジンバスで一時間と少々便利が悪い。

 広島市内には広島電鉄の運行する路面電車が走っており、市内均一180円の運賃で乗れる他、市内中心部であればバスもひっきりなしに走っている。地質の関係もあり地下鉄は存在せず、路面電車とアストラムライン(主に高架を走る新交通システム)が代わりを務めている。

 都市部を外れると一気に公共交通機関は貧弱になり、自家用車が必須となる。高速道路は山陽自動車道、中国自動車道、尾道松江線などがあり、高速バスも運行している。しかし都市部を除くと「市民の足」と呼べる公共交通機関は残っていないと思った方が良い。


買い物(日用品)

 都市部には古くからの商店街やデパートがあり、郊外や山間部は大型スーパーマーケットがメインとなる。大型ショッピングセンターでは広島市に本社を置く「ゆめタウン」や愛媛県本社の「フジ」が強い。食品スーパーやドラッグストアは、安芸と備後で多少勢力が異なる。家電製品はエディオンだろう。イオン系列は府中町に県内最大級の大型ショッピングセンターを構えている他、マックスバリュー等が県内に点在するが、地元企業のゆめタウンの方が強い印象だ。

 ドラッグストアはおそらくウォンツが最多という印象だが、筆者は県の東部(備後地方)に明るくないので断言はできない。ウォンツの他、ひまわり、コスモス、レディなど多くのドラッグストアが小さな街に競うように店舗を建てているイメージがある。

 ホームセンターは、地元企業はジュンテンドーが存在するが、最近はナフコ、コメリ、ダイキ等大きなチェーンが進出してきている。


娯楽

 プロスポーツ興業が盛んな土地である。と、婉曲な言い方をしたが、広島東洋カープ以外の贔屓球団を持つ方は、あまり広島県への移住はお薦めしない。NHKと民放4局、全てがその日のカープの試合結果を真っ先に報道するような土地柄である。

 一方サンフレッチェ広島は、注目度ではカープと比べると見劣りする。それでもやはりJ1連覇を達成したチームだけあり、多くの県民が順位を気にしているはずだ。

 特にカープの話は、あまり面識や話題のない相手と会話する際に重宝するので、心に決めた球団がない場合は試合結果を気に掛けておくと良い。とりあえず天気とカープで世間話が成立するのが広島県である。

 都市圏から車で一、二時間の範囲に様々な自然環境があるので、野外レジャーを楽しみたい人には良い県である。ただ、大きなコンサートツアーなどは大阪→福岡と広島を素通りする上、どちらの大都市にも新幹線で二時間程度である。本物のシティ派には向かないかもしれない。

 県北は娯楽といえばパチンコ店、といった風情なので更に覚悟が必要である。

 

広島県の噂、お国自慢

 とりあえず広島と言われて思い付くものは、原爆ドーム、宮島の厳島神社、牡蠣、広島風お好み焼きといったところだろうか。これらは広島市・廿日市市の西部都市圏に集中しており、一度の観光で堪能しやすい。反面、「これだけが広島ではない!」と言いたい部分もある。

 海岸線を東に行けば、軍港の面影を残す呉、坂と猫の街尾道、瀬戸内レモンなど柑橘類を栽培する島々を結ぶしまなみ海道、工業都市の福山が並ぶ。瀬戸内レモンの製品、尾道ラーメンなど、美味しいものも多い。

 北部には峡谷やスキー場など、自然と親しめる場所が多い。芸北を中心に、島根県石見地方から伝播した神楽が盛んだが、娯楽性を重視し舞台演出を派手にした「新舞」は老若男女楽しめる舞台エンターテイメントである。

 これは私見だが、総じて広島県民は地元が好きである。ヤクザ弁と誹られながらもお国言葉を愛しているし、地元を離れるほどカープの試合結果が気になる(らしい)。

 最後に、筆者は県北三次市の出身だが、県北にも是非足を運んでほしい。何があるかと問われれば何もない気もするが、空は広く、低くなだらかな山々の間に田園風景が広がっている。古くは旧石器時代の遺跡も存在する、長く人々が暮らしてきた場所だ。「何もない田舎」を堪能できるだろう。

 

広島県のスコア

人口密度:★★★☆☆
温暖度:★★★☆☆
海国度:★★★★☆
山国度:★★★★☆
給与水準:★★★☆☆
通勤通学時間:★★★☆☆
自動車保有率:★★★☆☆
交通利便度:★★★★★
軍事力:★★★★★
工業力:★★★★☆
持ち家の広さ:★★★☆☆
保守的:★★☆☆☆
夜遊び充実度:★★★☆☆
空気清浄度:★★☆☆☆
交通安全度:★★☆☆☆
治安:★★★☆☆
生活費の安さ:★★☆☆☆

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